検察審査会の小沢起訴議決を追跡し続けてきた。浮かび上がってきたのは、検察審査会を舞台とする最高裁事務総局の恐るべき謀略と犯罪だった。
以下に、最高裁(=検察審査会)の小沢起訴議決の軌跡を記す。
<09年3月頃、最高裁は検察による小沢氏起訴は無理と判断、検察審査会を使って起訴する方針に切り替え>
傍証1:10年2月1日 東京地検特捜部吉田副部長が取調べ中の石川知裕議員に「小沢はここで不起訴になっても、検察審査会で裁かれる可能性が高い。そんなことになって良いのでしょうか」と語った。
傍証2:郵政不正事件の一審判決で有罪となった大坪弘道元大阪特捜部長が、「最高検幹部が"最高裁幹部と民主党潰しを画策している。大阪特捜部は石井一議員周辺を捜査する。東京特捜部には小沢氏捜査をさせるが、起訴は難しいから最高裁が検察審査会を利用して起訴する計画である"と私に打ち明けた」と知人に語った。
<10年09年4月、最高裁事務総局が東京の検察審査会組織を改組、人事異動も実施>
東京第一、第二の2つの組織だったものを、第一から第六までの6つに分割。東京第五は傳田みのり事務局長、金子政之検察審査会事務官の2人の組織を作った。東京第一の事務課長に手嶋健氏を据え、審査員選定業務を担当させた。
<09年5月、検察審査会法改正法案の施行>
2回の起訴議決で強制起訴できるよう法改正をした。(急ぎ施行されたのは小沢起訴のため?)
<09年5月、最高裁事務総局が"審査員選定クジ引きソフト"作成、検察審査会に配布>
・審査員候補者名簿にない人を何人でもハンドで追加入力可能
・"審査員にしたくない候補者"の欠格事項の欄にチェックを入れることで、自在に消除できる。
・上記の追加入力と消除の情報は画面上に保存されない。(選定のクリックと同時にデータが消える)
<09年9月~10年6月、4回のクジ引きで、審査員・補充員44名を選定(?)>
前記のソフトを使って、下記の審査員・補充員を選定することになっている。
【審査員の選定と任期】
時期 審査員候補者からクジ引きソフトで審査員選定 審査員任期 備考
09/9 9年4群100名から審査員6名補充員6名選定 09/11/1~10/4/30 一回目用
09/12 10年1群100名から審査員5名補充員5名選定 10/2/1~10/7/31 〃
10/3 10年2群100名から審査員6名補充員6名選定 10/5/1~10/10/31 二回目用
10/6 10年3群100名から審査員5名補充員5名選定 10/8/1~11/1/31 〃
注1:審査員候補者100名は東京32の選挙管理委員会が選出し検察審査会に提出される
注2:補充員は審査員が都合で出席できない場合、替わりに審議、議決に加わる
審査員の選定を実施したか疑問。実施したとしても選定された人達に、審査員になったことを通知していなかったと思う。(審査員は存在しなかった?)
<10年1月、検察が元秘書石川議員らを威し「収支報告書の記載ズレに小沢氏が関与した」との供述取り>
<10年2月、東京地検特捜部が陸山会事件で、3人の元秘書を起訴>
<10年2月、小沢不起訴を不服として東京第五検察審査会に14件の申立て>
14件の申立ては、検察の息がかかった者(?)によるものと推定される。東京第五検察審査会で受付けるよう調整された。
<10年4月27日、検察審査会事務局「4月27日審査員全員一致で起訴議決した」と発表>
議決要旨および審査員平均年齢34.27歳と公表
一市民Tの見立て:審査員は存在せず、審査会議は開かれなかった。架空議決と思われる。議決書は米澤審査補助員によって創作された?公表した審査員の平均年齢34.27歳は、選管選出候補者名簿にない"審査員にしたい人"の平均年齢?
<10年9月8日、最高裁(=検察審査会事務局)が「審査補助員がやっと決まったので、審査が本格的に始まり、議決は10月末になる」と新聞社にリーク>
9月8日付大手6紙新聞報道.pdf
<10年9月8日~9月14日、民主党幹部が"代表選挙前の小沢起訴議決"を依頼、最高裁はそれを了承>
依頼ルートは、仙石氏→江田五月議員→竹崎博充最高裁長官→最高裁事務総局→検察審査会事務局か?架空議決であれば急遽の議決も可能。
<10年9月28日 斉藤隆博東京地検特捜部副部長が検察審査会に出向き、検察の捜査概要を説明>
齊藤副部長は議決日が9月14日だったことを知らない?審査員には偽審査員が揃えられた?
<10年10月4日、検察審査会事務局「9月14日起訴議決をした」と発表>
議決要旨および審査員平均年齢30.9歳と公表。
一市民Tの見立て:審査員は存在せず。審査会議は開かれなかった。架空議決と思われる。議決書は吉田審査補助員によって創作された? 公表した審査員平均年齢30.9歳は、選管選出候補者名簿にない"審査員にしたい人"の平均年齢。
<10年10月 最高裁(=検察審査会)が、審査会議が開かれた如く見せかける怪しい情報をリークし、朝日と読売が報道>
10月5日付朝日新聞.pdf
10月6日付読売新聞.pdf
<10年10月中旬 検察審査会事務局が3度の平均年齢訂正>
「2回目審査員平均年齢30.9歳は若すぎる」といわれ、「37歳の人を足し忘れていたので、修正すると33.91歳」と訂正。「37歳の人を足し忘れたとすると、34.27歳になるが?」と指摘され、「過去のことは忘れて欲しい。平均年齢は最終的に34.55歳になる。一回目も計算しなおすと、34.55歳になる」と訂正した。
「平均年齢3度言い直し」のからくり:「30.9歳は若すぎ』の指摘に対し、1人足し忘れがあったとして架空の平均年齢33.91歳を算出。この際、足し忘れ年齢を逆算したが、その計算を間違ってしまった。やむをえず、選管選出候補者名簿から11人を抽出し、それを審査員だったこととした。その平均年齢が34.55歳。一回目も同じように修正。
<議決公表以降 "架空議決疑惑""平均年齢の怪"の市民追及続く>
検察審査会事務局とそれを管理する最高裁事務総局に、"架空議決疑惑""平均年齢の怪"を追及した。
その結果以下のことがわかった。
①最高裁事務総局が以下のように、検察審査会事務局を管理・コントロールしていて、架空議決を主導したと思われる。
・検察審査会事務局職員に裁判所事務官を充て、異動.昇進.昇給等人事の全てを行う。組織の改編も行う。
・検察審査会業務で使う規定、マニュアル等を作成する。通達文書等にて業務指示を行う。
・「審査員候補者への質問票」送付等の業務の肩代わりをする。
・審査員選定クジ引きソフト、検察審査会ハンドブック等ツール類の作成を行う。
・予算や計画業務を行う。
②審査会の開催日、開催回数、会議室部屋名等一切開示しない。会議録も開示しない。
③審査員および候補者の個々の年齢、生年月日、生年月も一切開示しない。
④審査員の日当・交通費請求書の開示を求めたが、氏名.出頭日.振込先等がマスキングされたものしか開示されておらず、審査員の存在は確認されていない。
審査会議が開かれた証拠を示すものは何ひとつない。
審査員が存在したが如き報道をしているが、審査員が実在したことを示す証拠は何もない。
検察審査会事務局(=最高裁)は、"情報は非公開"の一点張りで、疑惑に何も答えない。
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