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4月29日 原発事故に思う(10)  不可解な世論調査? 「原発は現状のままで良い」が半数以上だそうだ!

<「事故後も原発容認派が多い」って本当か?>
東京新聞記事読んでほしい。
4月20日東京新聞「事故後も多い容認派」.pdf
大メディアが、震災一ヶ月前後で、「原発の今後について」世論調査をやった。
驚くなかれ、「増設・現状維持」が、「廃止・減らす」を上回ったそうだ。
日本人の半数以上が本当にそう思っているのか。信じられない。

<日本の原発で安全なものなど一つもない>
福島原発だけが安全性に問題がある設計がなされていたとは考えられない。どの原発も似たりよったりの安全性だとみるのが妥当だ。
4月28日、武田邦彦教授が民主党議員勉強会で、日本の原発の安全性等について語った。
https://ustre.am/:Y5HY
「福島原発事故は起こるべくして起こった事故」
「新潟刈羽崎原発も、震度6程度で多量の放射能漏れを起こした」
「震災が起これば、どの原発もやられるようだ。福島原発が旧い設備だから壊れたのではない。2006年の耐震基準の改訂で基準は緩くなっている。新しい原発の方が電源喪失などの可能性が高い。青森の東通原発は震度4で電源喪失した」
政府や経産省は「全ての原発の安全性を見直す」と言っているが、造ったものに手を加えても、どれだけ安全性が確保されるか疑問だ。

<海外では、福島原発事故を深刻に受け止めている>
原発事故発生を知った途端、各国は大使館員を自国に引き揚げさせたり、拠点を関西に移したりした。
事故発生直後、日本で働いていた外国人は続々日本を離れた。
日本への旅行者も激減している。
3月27日の東京新聞記事5面に小さな記事が掲載された。
3月27日東京新聞『独『反原発」20万人』.pdf
ドイツの主要都市で、「福島の事故は、われわれに原発を止めろと警告している」とのスローガンを掲げたデモがあった。20万人もの人が参加したとのこと。
4月26日の東京新聞夕刊2面にこれまた小さな記事
4月26日東京新聞「欧州、反原発10万人デモ」.pdf
なんと原発が存在しないオーストリアでファイマン首相も参加しての反原発デモが行われた。
海外では、原発の恐ろしさを十分に認識している。安全第一の考えが徹底している。
日本では政府の福島原発周辺住民の退避指示が遅れ、初期段階で被爆者を出してしまった。
どうしてこうも違うのか。

<原発推進の片棒を担いできた大メディアの責任は大きい>
何度も書いてきたが、電力会社、原子力関連企業、官僚、政治屋、御用学者、大メディアは、自分達の利権、利益のため、原発開発を強力に進められてきた。
彼らは、「原発は安全だ。クリーンなエネルギーだ。原発はどうしても必要だ。原発産業によって周辺は潤っている」と喧伝してきた。
大メディアはスポンサーである電力会社や原発推進の音頭をとってきた官僚に頭が上がらない。
忠実にその喧伝の片棒担ぎの役割を果してきた。
原発の危険な面など一つも触れることはなかった。
多くの国民に「日本の原発は安全だ」と思い込ませた。
その間、地震大国日本に、原発がどんどん建設され、今後も建設されようとしていた。

<大メディアは、原発事故を過小に報道してきた>
政府は、3月15日水素爆発が起こり、多量の放射性物質を排出していたのを知りながら、その数値を報道していない。そして、事故の程度はスリーマイル以下のレベル4としていたのだ。ところが、一ヵ月後に、国際原子力機構(IAEA)から、レベル7だと認定されてしまった。
一部の学者は、事故発生直後に、炉心溶融を指摘していたし、多量の放射性物質の放出があったことも指摘していた。メディアは、政府の発表通りのことしか報道しない。
大メディアは、電力会社、政府、役所に気を使い、原発反対の論調の記事を掲載していない。
日本各地でも反原発、脱原発のデモが頻発しだしているが、メディアはそれを一切報道しない。

<大メディアの世論調査は実態とはまるで違う>
新聞社は、「原発現状維持」の結果を出したいがための世論調査をしたのではないか。
世論調査は、調査対象者をどうするかで結果が違ってくる。
今回の場合、調査の対象を全国にすべきでない。事故の被害や影響が及んだ地域に絞るべきだ。
少しでも影響を受けた方は、原発を許容するはずはない。
設問の仕方によっても回答が変わってくる。
「日本では、3~4割を原発に依存していますが、今後原発どうしたらよいと思いますか」と質問した場合、全国では「現状やむなし」と答える人がある程度いるかもしれない。
ところが、「原発がある地区の方が、もう原発は自分の地区に設置しないでほしいと言っています。貴方の近くに原発を移動させてでも原発を継続しますか」と質問したらどうだろう。
「東電管内では、刈羽崎7基のうち4基の原発稼動のみで、夏場の最大需要の85%の電力供給の目途が立っています。もう少しの節電努力で達成できます。それでも原発を維持したいと思いますか」と質問したらどうだろう。
「どの原発もその安全性は福島原発とさして変わりありません。それでも原発を継続しますか」と質問したらどうだろう。
「原発の使用済み燃料は10万年も放射能を出し続けますが、日本にはそれを永久保管する場所がありません。それでも原発を継続しますか?」と質問したらどうだろう。
そのような質問をしたら、原発に利権を有する人以外で、今後原発を維持したいと答える人などいないと思う。

<中部電力が休止中の浜岡3号機の7月再開計画を発表>
電力会社、政府、行政は、大メディアが作った世論を頼りに、原発現状維持に向かって突き進もうとしている。
驚くなかれ、中部電力が、4月28日、休止中の浜岡3号機の7月再開計画を発表した。
4月28日東京新聞「浜岡3号機の再開計画」.pdf
浜岡原発は、9割近い確率で30年以内の発生が予測される東海地震の震源域の真ん中にある。多くの国民が浜岡原発だけは即刻運転停止してほしいと中電に要求している。
運転再開の理由が振るっている。3号機を稼動しないで火力を使っていると、60億の利益が吹っ飛ぶからと言う。
なんという感覚だ。国民の安全より、企業の利益最優先だ。

<大メディアが作る間違った世論が世の中を悪くする>
大メディアは公正なる報道をせず、間違った世論を作り上げてきた。
政治屋、官僚、企業は、それを利用し、世の中を間違った方向に誘導してしまう。
こんなメディアなら不要ではないか。いや潰すべきではないのか。
もっとも、潰すかどうかは、国民の判断だ。
情けないかな、メディアに騙されていることに気づいていない人の方が圧倒的に多い。いつになったら、気づくのだろう。

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この記事を書いた人

志岐武彦のアバター 志岐武彦 一市民が斬る!! [Civil Opinions Blog]

日本の政治、行政、司法が、どうしようもなく劣化してしまったことを憂う一市民です。私達は、5年間の調査で、最高裁事務総局が管理する検察審査会が小沢一郎議員を架空議決で起訴議決してしまったことを確信しました。2012年には『最高裁の罠』(K&Kプレス)を著しました。2015年には、「最高裁をただす市民の会」のホームページを立ち上げました。

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