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9月30日  郵便不正冤罪事件は検察のシステム自体の問題      ー個人の改ざん事件として矮小化してはならないー

同僚検事の内部告発で、前田主任検事が証拠物であるフロッピーを改ざんしたことが明らかになった。
さらに、大阪特捜部の組織ぐるみの問題であることが明らかになりつつある。
ところが、検察とメディアは、前田検事個人の不正事件ととして矮小化し終わらせようとしている。
   
<大阪特捜部組織ぐるみの問題であることが明らかに>
メディアは、「同僚検事が、当時の上司の大坪前特捜部長及び佐賀前副部長に、証拠改ざんの事実を公表すべきだと直訴したが、2人がそれを拒否した」と報道した。
佐賀前副部長は、東京に応援に行っていた前田検事に電話で「FDにまで触らせて苦労をかけたな」と前田検事を気遣う発言をしたという。
大坪前部長は「前田はオレの一番の右腕」と言っていた。
上記の報道から、大坪、佐賀、前田らが、犯罪の構図を見立て、見立てに合わせた捜査や供述調書作成を進めていたことがよく分かる。
前田検事一人の改ざんや幹部の犯罪隠避というより、組織ぐるみの捏造事件だ。
ところが、メディアは組織ぐるみであることの報道を小さくしか扱わない。
朝日新聞はこの事実を早くから入手しているのに、最高検の捜査でわかったとして、やっと報道に踏み切った。
テレビは組織ぐるみの犯罪ということを殆んど報道しない。

<前田検事は無理筋だと知りながら村木氏逮捕に。高検と最高検は証拠確認をすることなく、逮捕承諾の決裁>
最高検が前田検事を証拠隠滅の容疑で逮捕し、大坪・佐賀両氏を証拠隠避の容疑で調べることに、一市民Tは違和感を感じた。
この容疑で裁かれてしまったら刑があまりに軽すぎると思った。証拠隠滅なら、懲役2年以下、罰金20万円以下だ。彼らは無罪のものを犯罪者にしようとしたにもかかわらず。
そう思っていたところ、郷原信郎さんがツイッターで、「この事件は特別公務員職権乱用だ」と発言されたのを読み、その通りだと納得した。
郷原氏ツイッター
『一昨日の可視化議連で「前田検事は検察の構図とFDデータとの矛盾を知った上で、村木氏を逮捕した」と指摘し、「事件の核心は証拠隠滅でも犯人隠避でもなく特別公務員職権乱用だ」と発言。 
朝日記事⇒https://bit.ly/9GFtIb によると前田検事が私の指摘どおり供述。
特別公務員職権乱用は、警察官、検察官等が職権を乱用して人を逮捕、監禁した場合に成立します。検察の構図破たんを認識して、敢えて逮捕したのであれば、同罪が成立します。それが今回の事件の本質です。
しかし、FDデータとの矛盾を前田検事が報告しなかったと言っても、虚偽公文書作成の事件ですから、事件決裁で文書の作成経過とそれに関する客観的証拠を確認するのは当然です。
前田検事がFDデータについて嘘の報告をした、というのでない限り、地検幹部、高検、最高検の責任は免れません。
今回の事件は、特捜事件に関する検察のシステム自体の問題です。』

大阪地検(特捜副部長―特捜部長―次席検事―検事正)―高検―最高検のルートで、逮捕承諾の決裁がなされた。これらの部署の責任者は、逮捕の正当性を裏付ける客観的証拠を確認せずに、承諾の決裁をしたということだ。
これでは一主任検事の作文により、無実の者を、逮捕、起訴し、有罪にできるということだ。
大阪地検の組織ぐるみの犯罪であると同時に、検察のシステム自体の問題があるとの指摘だ。
しかし、このような論調で、問題を指摘したり、改善を求める大手メディアは皆無である。情けない。

<事実でない捏造供述調書が日常的に作られている問題>
検察はストーリーを決めて捜査を始める。そして、脅しや利益誘導で、見立てたストーリーに合わせた、事実でない供述調書を作って被疑者を縛ってしまう。検察はこれをメディアにリークする。メディアは被疑者を犯罪者扱いにして報道し、被疑者を痛めつける。
幸いなるかな、弁護団の努力で、供述内容が否定され、村木氏はこの縛りからなんとか抜け出ることが出来た。
検察のこのやり口は日常的に行われてきた。無実の罪を負ったり、大きな損害を受けた著名人が多くいる。
小沢一郎氏、石川知祐氏、鈴木宗男氏、佐藤優氏、佐藤栄佐久前福島県知事しかりである。
自著まで出して無実を訴えた被害者もいる。しかし、メディアが扱わないので世間には余り伝わっていない。検察も反省しない。泣き寝入りせざるを得なくなってしまう。本当に無念であろう。

<メディアは、西松事件と陸山会事件報道の行きすぎを謝罪せよ>
郵便不正事件と同根、同質の問題として、西松事件と陸山会事件が挙げられる。
この件については、当ブログに検察の行き過ぎを書いた。
https://civilopinions.main.jp/2010/09/post_9/
<完全無罪の小沢氏を、2年も引っ張り回す検察と裁判所>を読んでほしい。
前田検事は東京に応援に行き、この事件捜査で重要な役割を果した。
第三者が入って、2つの事件の捜査が妥当であったどうかを検証することが必要だ。
メディアは、西松事件と陸山会事件をあくどく、しつこく、報道した。
検察のウソ情報に尾ひれをつけて、小沢バッシングを続けてきたことは何度も当ブログに書いてきた。
https://civilopinions.main.jp/2010/07/74/

メディアは、報道の行き過ぎで迷惑をかけたことを当事者に謝罪をし、西松事件と陸山会事件を正しく報道し直すことが必要だ。信頼を取り戻すためにも。

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この記事を書いた人

志岐武彦のアバター 志岐武彦 一市民が斬る!! [Civil Opinions Blog]

日本の政治、行政、司法が、どうしようもなく劣化してしまったことを憂う一市民です。私達は、5年間の調査で、最高裁事務総局が管理する検察審査会が小沢一郎議員を架空議決で起訴議決してしまったことを確信しました。2012年には『最高裁の罠』(K&Kプレス)を著しました。2015年には、「最高裁をただす市民の会」のホームページを立ち上げました。

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