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新刊『一市民が斬る!!最高裁の黒い闇』(国家の暴略を追った2000日の記録)(志岐武彦著 鹿砦社)を出版

 目次
 本書はすでに一部の書店に並んでいますが、8月20日には配本が完了する予定です。
 鹿砦社東京営業部に電話あるいはファックスでお申込み頂ければ送料無料でお届けします。
  電話:03-3238-7530  ファックス:03-6231-5566
【まえがき】
 本書は、ひとりの市民が日本の権力機構の一角である最高裁事務総局を相手に、闘いを挑んだ2000日を綴ったドキュメントである。自民党から民主党への政権交代が実現した次の年、当時、民主党の幹事長として鳩山由紀夫内閣を支えていた小沢一郎議員が、収賄容疑で検察から取り調べを受けた。これがそもそも、その後の事件の発端だった。
 当初、単なる資金疑惑事件のひとつに過ぎないと考えられていた小沢事件は、その後、紆余曲折を経て、刑事法廷に持ち込まれることになる。日本には、検察審査会制度というものがあり、たとえ検察が不起訴の決定を下しても、検察審査会が起訴を相当とする決議を2度に亘って下した場合、被疑者は強制的に法廷に立たされる。この仕組みが適用されたのが小沢裁判だった。
私が一連の小沢事件の調査をはじめたのは、小沢氏が強制起訴された2010年の秋である。調査が進むにつれて、意外な事実が浮上してくる。小沢氏に対する強制起訴を決めた検察審査会には審査員たちがいなかったのではないかという疑惑である。詳細については、本書の中で紹介していくが、わたしがその裏付けとしているのが、情報公開制度を利用して「役所」から入手した資料である。その分量は段ボール箱で2箱分にもなる。
 これらの資料を精査したところ、小沢一郎氏を起訴した検察審査会が、実際には存在しない「架空審査会」だった疑惑が高まった。それが5年に及ぶ調査で得た果実だった。かりに小沢検審が本当に「架空審査会」だったとすれば、架空審査員の「旅費」「日当」はどこへ消えたのか。消えたお金の額は・・・。
 資料の精査を通じて、単に検察審査会が架空だったのか、それとも実在したのかという問題を超えて、裏金づくりの疑惑までが浮上したのである。
 小沢事件と時を同じくして、政治家がらみのもうひとつの事件が浮上した。母親から政治資金贈与の問題で鳩山由紀夫・元首相が検察の取り調べを受けたのである。結果的に鳩山氏も検察審査会の審理にかけられることになる。もっとも鳩山氏の場合は、不起訴になり、政界からも姿を消すことになるのだが、国民にとっては、事件の輪郭がかすんだまま忘れられた感を免れない。
 小沢事件を追うプロセスの中で、私は念のために鳩山検審に関連した内部資料も入手して解析した。その結果、小沢検審と同様に鳩山検審も「架空審査会」だった可能性が浮上したのである。たとえ「架空」ではなかったとしても、少なくとも鳩山検審を利用して裏金作りが行われた決定的な証拠があるのだ。
小沢・鳩山という民主党の2人の政治家の運命を翻弄した検察審査会とは何か。それは国民の監視がよく行き届かないところで運営され、想像していたよりも、はるかに闇に満たされた世界である。先進国の制度とは思えない実態に読者は驚くだろう。
 余談になるが、検察審査会の問題を深く追及していくうちに、私は森裕子元議員から裁判を提起されるという信じがたい事件にも遭遇した。森氏は、当初、私と協同でこの問題を調査していたのだが、途中から方針と見解の違いを理由に決別した。このあたりの事情についても、本書の中で詳細に綴っているが、裁判の結果は、森氏の敗訴だった。森氏が勝訴できなかったのは、小沢検審をめぐる内部資料に信憑性があったからだと確信している。
 日本の司法は病的な状態にある。改めて言うまでもなく小沢検審も鳩山検審も根は同じである。国民が知り得ない不正な方法で、政治権力を維持する構造的な仕組みがあるのだ。
 本書はそれを解明した2000日の記録である。

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この記事を書いた人

志岐武彦のアバター 志岐武彦 一市民が斬る!! [Civil Opinions Blog]

日本の政治、行政、司法が、どうしようもなく劣化してしまったことを憂う一市民です。私達は、5年間の調査で、最高裁事務総局が管理する検察審査会が小沢一郎議員を架空議決で起訴議決してしまったことを確信しました。2012年には『最高裁の罠』(K&Kプレス)を著しました。2015年には、「最高裁をただす市民の会」のホームページを立ち上げました。

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