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10月2日 小沢検察審の1回目審査も、「架空」と判断した理由!

 小沢検察審では多くの疑惑が発生した。審査員を存在させず、審査会議を開かず、架空議決だったとしないと、この疑惑は説明できない。
 小沢検察審では44名の審査員・補充員が関わっていたはずだが、その存在を示す確証が何一つ出てこない。44人に足がないのだ。
 だから、審査員はいないと結論付けた。
 疑惑の多くは2回目審査の期間で発生したので、「審査員がいなかった」のは2回目審査だけで、1回目審査では「審査員はいた」と思う方も多いだろう。
 このことについて考えてみよう。
 <当初、1回目審査では審査員が実在したのではないかと漠然と思っていた>
 1回目審査の情報が殆どないので、審査員がいたかいないか判断のしようがなかったというのが正直なところだ。
 何でも言うことを訊く人を恣意的に審査員にして、審査補助員らが起訴議決を誘導したのではないかと当初考えた。
 しかし、「1回目審査では審査員が実在していた」とする見方には、以下のような難点がある。
① 1回目審査で万が一起訴議決できなかった場合、小沢抹殺はダメになる。最高裁はそのような不確実な手を打つか?
② なんでも言うことを訊く、口の堅い審査員を選べるか?
何でも言うことを訊くなら検審関係者の身内しかない。身内といってもいつ裏切って秘密をばらすかもしれない。最高裁はこのような危険を冒すのだろうか?
③ 2回目審査から審査員を選ばないようにすることができるか?
審査員の任期は6か月で、3か月ごとに半数が入れ替わることになっている。4月27日に議決し、5月1日に半数が入れ替わる仕組みだ。この時点で新任審査員を選ばないと、以前からの審査員がそれに気づくことになる。途中から審査員を消すのは難しい。
 
 <「東京第五検審が小沢検審開始の9か月前に新設された」の情報を得て、この謎は解けた>
 1回目審査も審査員がいなかったと気づいたのは、「東京第五検審が小沢検審開始の9か月前に新設された」という情報を得たからだ。
そうだ。検察審査会を新設しておいて、最初から審査員を選ばずにいればよい。これで謎が解けた。

 改めて1回目審査時の報道を見直した。すると、いくつかのおかしな情報に気づいた。
 <検審関係者は「6日担当検事の意見聴取」「検審、近く当否議決か」と審査会の内情を積極的にリーク>
2010年4月7日神奈川新聞記事を見てほしい。
神奈川新聞2010年4月7日.pdf
 検審関係者は、「4月6日担当検事の意見聴取があった」と審査会の内情をリークしている。
 ところが、2回目審査での「検察官説明の日はいつか」について国会質問があったが、最高裁と法務省は個別案件の情報は出せないとして回答を拒否した。
 デタラメにもほどがある。都合のいい時はリークし、都合が悪い時は隠す。 
 「検審、近く当否議決か」も、検審事務局が明らかにしてはいけない「評議の秘密」のはずだ。このリークも違反だ。
 この2つの嘘リークは、審査会議が順調に行われていると見せかけるためのものだったと推測できる。
 
 <起訴議決、議決書作成、議決書署名、議決書掲示は1日で出来るものなのか>
 起訴議決は4月27日になされた。そして当日議決書が掲示板に貼られた。
 議決がなされてから議決書が作成される。発表された議決書は長文でもっともらしい内容が書かれている。
 起訴議決、その後の議決書作成、読み合わせ、署名、掲示の一連の工程を、たった1日で出来たのか疑問だ。
 この工程は作り話のように感じる。
 
 
 <『審査員11人全員一致で「起訴相当」と議決した』と議決発表時にリーク>
 議決の翌日の新聞を見て見よう。
 神奈川新聞2010年4月28日.pdf
 素人の審査員が、検察が大捜査で不起訴処分とした判断を覆した。しかも11人全員の判断だという。このようなことはありえないと思う。
 ここでいう『審査員11人全員一致で「起訴相当」と議決した』は明らかに「評議の秘密」を漏らしたことだ。違反行為だ。
 最高裁はこの違反行為を認め、その後の2回目審査の議決発表では、"当否の人数"を発表しなかった。
 違反行為を犯してまでわざわざ『審査員11人全員一致』など言わなくてもよかったはずだ。
わざわざ11人と付け加えたのは何故か。
 審査員が存在すると見せかけるため、敢えて11人という数字を出したと、一市民Tは読む。

 <一回目審査では「検察の捏造報告書」提出もないことから起訴議決は無理と思うのだが>
 後でわかったことだが、2回目審査の時期に検察は捏造報告書を提出していた。
 このことを捉えて「この議決は検察当局の捜査報告書の捏造という犯罪によって誘導されたものである」と主張している人もいるが、この説は眉唾だ。
 何故なら、1回目審査では捏造報告書も出ていないに11人全員が起訴議決と判断したのだから、捏造報告書と起訴議決との関係はないといえる。

 1回目審査も2回目審査も「起訴議決」のシナリオは最初から決まっていた。
 即ち、確実に起訴議決とするため、1回目も、2回目も、審査員を選ばない方法をとったと考えて間違いないだろう。 

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この記事を書いた人

志岐武彦のアバター 志岐武彦 一市民が斬る!! [Civil Opinions Blog]

日本の政治、行政、司法が、どうしようもなく劣化してしまったことを憂う一市民です。私達は、5年間の調査で、最高裁事務総局が管理する検察審査会が小沢一郎議員を架空議決で起訴議決してしまったことを確信しました。2012年には『最高裁の罠』(K&Kプレス)を著しました。2015年には、「最高裁をただす市民の会」のホームページを立ち上げました。

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