5月9日 原発事故に思う(12)  菅首相・経産省・電力会社・御用学者・大メディアに誤魔化されるな! 浜岡原発も手直し後に再開ということだ!

<首相の中部電への要請"浜岡原発全面停止へ"は大英断なのか?>

5月6日、菅首相は記者会見で浜岡原発について、稼働中の4、5号機を含め「全ての原子炉を停止すべきだと判断した」と語った。
5月7日付東京新聞「浜岡原発全面停止へ」.pdf 参照

大メディアや御用学者は、「画期的な決断だ。歴史的な大英断だ。」と菅首相を褒め称えた。

浜岡原発を停止させること自体大歓迎だ。
たった2基(4号機と5号機)の運転を一時停止させるという要請だ。要請が遅すぎたのではないか。これまでに地震がきていたら、日本が沈没するくらいの大惨状になっていたことは必定だ。

それに、今回の要請には大きな問題が潜んでいる。
首相と経産省が、浜岡一時停止と引き換えに、防波堤建設と電源補強工事などの地震・津波対策を実施すれば、3基とも使用してもよいというお墨付きを与えたのだ。

そもそも、地震帯の真上に原発を設置したこと自体が大きな過ちだ。
絶対再開を認めてはならない。

大地震の可能性が高い浜岡原発の稼動を認めたということは、他の原発の稼動を全て認めたということだ。
菅首相と経産省・電力会社・御用学者・大メディアは、浜岡2基の一時停止を実施することにより、国民の切なる願いである"脱原発"を拒否したということだ。


<浜岡一時停止要請は、菅首相の己の人気回復と中部電・経産省・御用学者・大メディアの思惑が一致してなされたもの>

福島原発事故で、東海地震帯の真上にある浜岡原発の危険性がクローズアップされた。原口元総務相、森ゆうこ氏らの議員、識者、国民が「何をおいても、浜岡原発の運転を即刻停止してほしい」と訴えた。
中部電も経産省も、浜岡原発が危険きわまりない原発であることを充分にわかっていた。しかし、ひとたび浜岡を停止させたら、今度は再開が難しくなるし、浜岡以外の原発にも影響を与えると考えていた。
一方、菅首相は、拙政を繰り返し、震災直前に違法献金問題が発覚した。震災後も、目を覆いたくなるようなお粗末な対応振りを披露した。
菅首相の評判は最悪だ。それでも、首相の座に拘る菅氏は起死回生の手を狙っていた。

そこで、経産省が主体になり、今回の中部電と菅首相のパフォーマンスを演出したと思う。

以下にそのパフォーマンス振りを示す。

①中部電は、原発運転続行という強気の姿勢を通した。
「津波対策用の防波堤を作ることの提案」
「電源喪失を想定した訓練の実施」
「定期点検中の3号機を7月再開すると発表」
(3号機を運転せず、火力で賄うと、年間500億円の利益が吹っ飛ぶと威した)
②5月4日、海江田経産相が現地安全視察した。
 (これは、経産省のパフォーマンス)
③5月5日、菅首相が浜岡原発停止を要請した。
 (「抵抗を見せている中部電に対して、浜岡原発を停止させた」という菅首相のパフォーマンス)
④5月7日、中部電は臨時取締役会を開き、停止要請の結論を保留した。保留の理由は、夏場の電力不足の恐れ、火力発電に代替する発電コストが膨らむこと、東電への送電が困難になることなどを上げた。いずれもさして止められない理由でもない。大メディアは、「電力供給減少なら、生産へ打撃不可避」と報じた。
 (これは、中部電、大メディアのパフォーマンス)
⑤5月8日、菅首相は、中部電力浜岡原発以外の原発の運転停止を求める可能性について、「それはありません」と述べた。(時事通信配信)
 (これが、経産省、電力会社、御用学者の狙いだ)
⑥5月9日、中部電力は、菅首相に、浜岡原発の停止を受け入れる代わりに、津波対策実施後の運転再開の確約と、停止によって発生するコスト増等に対する支援を求めた。
5月9日付東京新聞「中部電 政府支援要請へ」.pdf 参照
(地震帯の真上に原発を設置した過ちは中部電側にある。なんと厚かましい要求か)


<脱原発に立ち塞がる大きな権力集団> 

菅首相・経産省・電力会社・御用学者・大メディアは、全ての原発について、安全性を見直すことで、そのまま継続させるということを明らかにした。

茂木清夫元地震予知連会長が『絶対安全 絶対言えない。浜岡以外も見直しを』
と警鐘を発している。
5月9日付東京新聞付「絶対安全 絶対言えない」.pdf 参照

『(想定以上の地震や津波が)今までないから今後もない、とはいえない。地震も物の破壊もまだよく分からないことが多い。原子炉本体が頑丈でも、複雑な配管や装置を取り巻く複合体だ。弱い所に力が集中したら何が起きるかわからない。絶対大丈夫なんてことは絶対言えない。福島の原発も特別に(危険と)思っていた人はいないのでは。原発全体がそういうものだから』
その通りだと思う。

武田邦彦教授も「現存する原発の安全性は、どれも福島原発と似たりよったりで、危ないものばかりだ」と語っている。
http://ustre.am/:Y5HY
「福島原発事故は起こるべくして起こった事故だ」
「新潟刈羽崎原発も、震度6程度で多量の放射能漏れを起こした」
「震災が起これば、どの原発もやられるようだ。福島原発が旧い設備だから壊れたのではない。2006年の耐震基準の改訂で基準は緩くなっている。新しい原発の方が電源喪失などの可能性が高い。青森の東通原発は震度4で電源喪失した」

既存の原発設備を補強しても、安全性がそれほど上がるものではない。
地震の大きさなど想定できるものでない。
想定外のことなど過去にいくらでも発生したし、今後も発生する。

茂木清夫地震学者も武田邦彦原子力専門家も、地震国日本で、絶対安全な原発など作りえないと言っているのだ。

事故が起きて大きな被害を受けたのは多くの住民だ。
事故の責任を取るべき電力会社・政府・経産省・御用学者・大メディアに反省は見られない。
事故の責任も取れていない。

もういい加減に、菅首相・経産省・電力会社・御用学者・大メディアは日本の将来のため、脱原発に向かった舵を切るべきだ
出来ないのなら、総退陣すべきだ

2011年5月 9日